Holding Out For A Hero

その本について知ったのは通勤電車の中。

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「友情」

普通の車内広告かテレビ式になってる広告だったと思う。

第一印象で、ラグビープレイヤーだった故平尾誠二とiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授という異色の組み合わせに興味を持った。

その広告だったか、別の場所だったかで、山中教授がラグビーをやっていた経験があったことを知り、なるほどそれで交流があったのかと、さらに興味をそそられた。

それに、この表紙のふたりの笑顔いいですよね。

ちゅうことで、とりあえず練馬区の図書館のネット検索で検索してさっくり予約。
たぶん予約した時点では100番ぐらいだったと思う。
その後、私の後ろに100人以上予約が入ったから、動き出しが良かったってことだろう。

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平尾誠二

私と同学年だった人で、伏見工で高校ラグビー日本一、同志社大に進んでも大学日本一に輝いたラグビー界のスーパースター。

同世代のヒーローだ。

ポジションは、スタンドオフかセンターで、その見事なボールさばきと司令塔としての的確な戦術観は目を見張るものがあったし、髭をたくわえたイケメンでかっこいい選手だった。

当然当時から、ワセダを応援していて、ワセダも巨漢ロックの栗原、なぜかロックだけど左足のプレイスキッカーだった坂本といった選手中心に頑張っていたけど、平尾率いる同志社には敵わなかった。

その平尾が2年前に亡くなった時は大きなショックを受けたのを覚えている。

そして、やっと順番が回ってきて、この本を読んだわけだが、平尾と山中教授の交流と癌闘病の記録を山中教授、平尾の奥さんそれぞれの視点から書き、そして、ふたりの雑誌での対談が掲載されている。

まず驚いたのは、山中教授も同学年だったこと。
もっと上かと思ってた。

そして、山中教授が我々と同じ感覚で平尾にあこがれを抱いていたということ。
彼はそれが高じて、医学部時代にラグビーまで始めちゃうってところが違うけど。

たぶん同学年で、分野は違うけど、その分野で日本のトップを極めた人ということで、2010年に週刊現代の企画で対談したことから、彼らの交流が始まる。

平尾は、そういう対談はたくさんしたけど、自分からはその後友達づきあいをすることはなかったそうだが、山中教授は平尾に憧れていて、教授のアプローチでふたりの交流が始まったそうだが、その気持ちもよくわかる。
私もそんなチャンスがあれば、そうするだろう。
平尾から断られちゃうだろうけどw

本としては、山中教授も平尾の奥さんもプロの作家ではないので、文章に余計な装飾はなく(日記を読んでるようだ)、全般的にあっさりとした記述が多くて、あっという間に読み終わるんだが(実際正味1~2時間で読めちゃったかな)、たった6年の付き合いでふたりがお互いを認め合っていたのは良く伝わってくる。

対談でも、平尾がiPS細胞などについてもある程度事前勉強していて、プロの司会者的にきちんとネタ振りしていて、対談としてうまくいっていて、山中教授が平尾を気配りができる人と称えているのもわかる。

そして、同学年である平尾の癌闘病から死に至る記載には胸をかきむしられる。
同じふたりの子供を持つ親だしなあ。
涙腺ゆるゆる浪花節おじさんは、電車の中で読んでて涙しちゃいました。

冷静に本として評価すると大したことはないような気もするんだが、やっぱり真実は胸を打つし、同学年のヒーローを失った喪失感などに心を持って行かれて、このエントリを書きました。

同世代にはおすすめです。

《What's The Title?》

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Footloose Original Soundtrack/Various Artists

平尾のいた伏見工をモデルにテレビドラマ「スクールウォーズ」が作られ、この本にも何度か登場します。
その主題歌は"Holding Out For A Hero"の日本語カバーだったし、平尾は間違いなくヒーローだったので、タイトルにしました。
1978年に"It's A Heartache"を英米でヒットさせ、そのハスキーボイスで女Rodと異名を取ったBonnie Tyler。
その後は鳴かず飛ばずで、一発屋になっちゃうかと思ったら、なんとあのJim Steimanのコテコテサウンドに乗った「愛の翳り」で全米No.1を獲得。
そしてこの「ヒーロー」が彼女にとって3曲目のTop40ヒットになりました、
この曲もJim Steinman作・プロデュースで具だくさんのこってりサウンドで、彼女のパワフルなボーカルも負けてないのはいいんだけど、砂糖たっぷりのすき焼きに脂身だらけの肉を入れてしまうと胃が受け付けないといった感じで、ちょっと個人的には好きになれない曲ではあります。
でも、「スクールウォーズ」に使われてたんで、この曲のイントロが流れてくると、ドラマのいろいろなシーンを思い出します。
そういえば、あのドラマもちょっと濃ゆすぎるところがあったなあ。
「イソップ~」

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by falling7813 | 2018-04-25 05:53 | book | Comments(0)