Memory Motel
今日の目的地は、滝上町。
きっかけは、2月の紋別への弾丸日帰り旅行。
札幌から紋別に向かうバスが通るところなんだが、車窓から見えた北見滝ノ上駅の建物。
すでに廃止されている駅の建物が残っているということで、鉄オタ心をくすぐられた。
そこでいろいろ調べてみると、春には芝桜が咲き、町内に渓谷もあるらしく、なかなか魅力的だ。
今年は5月初めの気温が高く、芝桜の開花が早いようで、町のHPによれば来週あたりがよさそうなんだが、来週は北海道にいないし、火曜日ぐらいまではこの週末の予報はよかったので、バスを予約して今日決行。
札幌を朝7時に出発するバスに乗ったが、バスのルートである高規格道路が一部雪で通行止めで、国道に迂回。
その国道では雪が降ってる。
今、何月だ?
迂回はしたが、ロスタイムはなく、定刻の11時半ごろ滝上に到着。
途中雨のところも多かったが、滝上では降っていないようでひと安心。
ただし、めちゃ寒い。
心魅かれる旧駅舎をざっと眺めて、まずは芝桜が咲く滝上公園へ。
今は芝桜まつりをやっているんで入場料500円をとられるんだが、仕方あるまい。
公園は高台にあるので、坂道を登っていくが、途中から芝桜が見られて、なかなか美しい。
切符を売っている公園のふもとからは無料で車で送るサービスもやっているそうだが、坂道の斜面に咲く芝桜を見ながら登るのもいいですよ。
公園に着くと、芝桜は平均すると5分咲きといったところですかね。
同じピンクでも色の濃淡があってグラデーションがなかなかきれい。
「裸の大将」ロケ地なんていうのもありました。
天気が良ければもっとよかったんでしょうけど、十分満足のいく芝桜でした。
そして、滝上公園は高台にあるので、公園からの景色もなかなかきれいでした。
滝上町は一望できるし、かなり遠くの山々まで見渡せるので、晴れていたらもっときれいだったろうなあ。
芝桜は、秩父でも見たことがあるんだけど、秩父では芝桜が満開の頃は、花粉も満開で、花粉症の大発作に襲われましたけど、北海道はスギ、ヒノキの花粉はないので、花粉症の人の芝桜見物にはおススメだ。
芝桜見物は12時前後だったんだが、アメダスによれば気温は5℃前後で、風も強くなってめちゃ寒くなってきた。
手もかじかんできたので、万が一と思って持ってきた軍手を装着。
芝桜を満喫したところで、今朝朝食は5時ごろでさすがにお腹が空いたので、昼食。
駅舎で入手した観光地図を頼りに、公園のふもとの天手古舞へ。
中の様子がわからずちょっと勇気がいりましたが、入店してみると、観光シーズンだけあって繁盛していて、店名どおりてんてこまいの状態。
メニューがかわっていて、「稲葉」とか「斉藤ゆうき」などの日ハム選手や「白鵬」「さだまさし」など脈略のないネーミングが並ぶ。
空腹だったので、中田翔ことザンギ定食(1,080円)を注文。
混んでいたこともあり15分ほど待たされたが、観光地図にあったとおり、ボリューム満点。
ザンギは醤油ベースの鶏唐揚なんだが、ここのやつは竜田揚げ風の唐揚に自家製の酢醤油ベースのたれをかける。
このたれはピリ辛で、唐揚だけでなく、キャベツにもマッチしてまいう~でした。
満腹になったところで、町の中央を流れる渚滑(しょこつ)川沿いの錦仙峡の遊歩道を散策。
町の名前のとおり、町の中心にそれほど落差はないけど滝があったりして、なかなかの渓谷美。
遊歩道もきちんと整備されていて、四季それぞれに楽しめそうだ。
片道2kmほどの遊歩道を往復しましたが、折り返し地点ではだいぶ谷も深くなっていて、折り返しに渡る水の橋はかなりの高さで、スリリングでした。
遊歩道の帰り道に道の駅に寄ってみましたが、建物は立派なんだが、北海道によくある土産物とお菓子ぐらいしかない道の駅で、ちょっと残念。
他県のように農産物や惣菜とか弁当とか売ると、もっとお客を呼べると思うんだが、なぜなんだろう。
帰りのバスまで若干時間があるので、町の中心街を散策。
人口3,000人程度の町なので、ある程度は予想していたんだが、開いている店があまりない。
現役に見える店もあるので、日曜定休なのかなあ。
住んでいる人はどこで買い物してるんだろう?
40kmほど先にある紋別のイオンかなあ?
最後は北見滝ノ上駅の駅舎の中を見学。
在りし日の渚滑線の備品などが記念館として展示されていて、鉄道オタクにはたまらない施設でした。
駅の裏側に回ると、昭和60年3月31日の渚滑線さよなら運転の時の看板がそのまま残されていて、たまらない寂寥感を感じました。
バスを待ちながら、駅舎の前に立ち、遠くに芝桜が咲く滝上公園を見ながら、駅前の風景を眺める。
町歩きの時からiPodくんのプレイリストをバラードにしていたので、Eaglesの"Best Of My Love"、Stonesの"Memory Motel"、Stevieの"Ribbon In The Sky"、Loggins&Messinaの”Danny's Song"など心にしみる曲をプレイし、美しいメロディが風景にとけていく。
マニアックな旅で天気にも恵まれなかったが、滞在中の4時間は満足できた。
でも、札幌から片道3時間半以上かかるし、もうこの町に来ることもないだろうなあ。
そんな一期一会を感じた一日でした。
《What's The Title?》
Black And Blue/The Rolling Stones
タイトルは北見滝ノ上駅舎前で町を眺めながら聴いていた曲の中から、Stonesの"Memory Motel"。
わびしさが町の雰囲気にぴったりでした。
このアルバムではなんといってもシングルとしてカップリングされた「愚か者の涙」と「ホットスタッフ」が秀逸で、この2曲はめちゃくちゃ聴いたんですが、"Memory Motel"は地味ですけど枯れた味わいがあって、いいんですよね。
最近はしんみりとしたいときなどに結構ヘビロテしてます。